うつぼのたたき
知る人ぞ知る珍味、うつぼのたたき。見た目の獰猛さとは対照的に淡白で上品な味わいを持つうつぼ。さらに皮下のゼラチン質にはコラーゲンもたっぷりで、体にも嬉しい食材となっています。うつぼ料理といえば煮こごりやから揚げ、干物等などがありますが、その身質、特に皮と身の間の豊富なゼラチン質を活かした究極のうつぼ料理がこの「うつぼのたたき」なのです。当店では特製ポン酢をかけて口あたりをさっぱりと仕上げました。皮目のこうばしい香りとあっさりとした白身、ゼラチン部分のとろけるような味わいをお楽しみください。
ウツボとは
ウツボはウナギ目ウツボ科に分類される魚の総称で、熱帯から温帯の浅い海に生息する大型肉食海水魚です。世界では約200種が確認されており、日本ではその一種に「ウツボ」の和名が当てられています。体長20cmほどのものから4mに達するものまで種類は多様ですが、全長1m前後の種類がもっとも多く、他のウナギ目魚類同様に体は前後に細長い円筒形をしています。体色は種類によって多様で、中にはハナヒゲウツボのように鮮やかな体色のものもいます。
ウツボの特徴は目の後ろまで大きく裂けた口と、発達した鋭い歯。浅い海、特にサンゴ礁や岩礁に生息し、岩陰や洞窟に潜んで獲物を待ち伏せますが、夜になると海底近くを泳ぎ回ることもあります。ウツボのイメージと言えば、獰猛な“海のギャング”。食性は肉食性で、魚類、甲殻類、頭足類などを大きな口と鋭い歯で捕食します。中でもタコとウツボの壮絶な死闘は海辺の町では有名な話。自分より体の大きな敵にも大きな口と鋭い歯で威嚇し、時には噛みつくこともあります。スキューバーダイビングなどをする際にも注意が必要ですが、臆病な一面も持っており、こちらが手を出さなければ攻撃をしてくることも少ないようです。
ウツボの旬
ウツボの旬は水温の下がる秋〜冬です。この時期のウツボは肉厚で脂がのり更に旨みを増します。
当店使用ウツボ
身が肉厚で柔らかく、脂ののりも良いと高知県でも評判の土佐清水産ウツボを使用しています。鮮度の良いものを熟練板前が素早く調理しています。
ウツボの味わい
ウツボはその獰猛な外見とは対照的に、味わいは大変美味。中でもウツボ特有の旨みと言えば、身を守る厚い皮から皮下に広がるゼラチン質です。コラーゲンも豊富で、強い日差しに肌をさらし体力を消耗する漁師仲間には特に重宝されていました。その味わいは淡白で豊潤。上質な鶏肉にも似た白身はよく締まっており、独特の歯ごたえが楽しめます。
これほどまでに美味しいうつぼが、なぜ食用としてあまり知られていないのでしょうか。その原因はウツボの調理方法が非常に難しいことにあります。ウツボは骨が非常に多い魚。京料理の食材として名高いハモも小骨が多く独特の調理方法を要しますが、ウツボはそれ以上に大小様々な骨が複雑に入込んでおり、食べる時に非常に邪魔になってしまいます。そのためウツボを調理するには熟練した技が必要になるのです。当店ではその珍しいウツボ料理を、是非皆様にもお楽しみいただきたいと考えております。


